松宮孝明(⽴命館⼤教授)×森達也(映画監督)対談『学術会議問題を中心に、日本の姿をあばきだす』

11月2日(火・祝前日)18:30~19:30、キャンパスプラザ京都 第2講義室にて、松宮孝明(⽴命館⼤教授)×森達也(映画監督)対談『学術会議問題を中心に、日本の姿をあばきだす』が開催されます。登壇:松宮孝明(立命館大学教授)、森達也(映画監督)。司会・進行:齎藤ゆずか、江尻智森。入場無料(カンパ制)。詳しくはチラシをご覧ください。


日本学術会議問題。これはまずい。政局の問題? 生ぬるい。学問の危機? その段階は通り過ぎた。端的に、言論弾圧事件である。報道、学術、芸術が結集して抗わねば、本当にまずい。理由を言わぬままの学問と言論への脅迫と圧力は、少なくともその理由を明言して批判者を排除したナチスより厄介だ。
首相が拒否した日本学術会議の新規会員候補六名は共謀罪や安保法制に反対してきた。将棋の言葉を借りれば「拒否」の段階で首相は詰んでいる。もしも拒否の理由をあげぬままなら批判者の萎縮効果を狙ったことになり、首相は卑怯な弾圧者となる。理由をあげたとしても、六名の研究成果を熟読吟味した形跡が見られないため、それが説得的である可能性はきわめて低い。(…)
今回の事件が怖いのは、多くの国民や科学者が攻撃の傷の深さに気付いていないこと。お上に逆らうとこうなるのか、という空気だけが残ること。真綿で首を締められているのは、もう学問だけではない。

藤原辰史「[学術会議任命拒否]結束してあらがおう」『毎日新聞』、2020年10月22日

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